1997年、軽井沢の傾斜地に建てられた別荘を、宿泊施設として設計し直した一棟です。床スラブを後部山側に対し曲線状に屋根までめくり上げることで、背後の土圧を自然に床へと流しています。さらに水平な屋根面の後辺を床スラブの頂部と完全に固定することで、すべての水平力を床スラブに流しているのです。前面に唯一ある3本の柱は、全く水平力を負担せず鉛直力のみ負担する、最小限の細い柱となりました。すべての壁をなくし、可動式の引き戸を配置。キッチンやバスも同一フロアに露出した空間を、ガラスの引き戸でフレキシブルに仕切る「ユニバーサル・フロア」です。